映画「世にも怪奇な物語」--第一話「黒馬の哭(な)く館」

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ある日、彼女は近隣の領地で暮らす従兄と遭遇し、孤高な雰囲気を持つ彼に対して心惹かれるものの、従兄の方では彼女を拒絶する。 この従兄を演じているのはジェーンの実弟ピーターであり、観客には、ヒロインの恋心や従兄への誘いかけは視覚的にはそのまま近親姦への欲望、誘惑に映る。ヒロインのインモラルな危うさと拒絶する側の全うさを、脚本・キャスティングの両面から訴える演出だ。 結果、女性としてのプライドを傷付けられた彼女は従僕に命じて従兄の厩に放火させ、愛馬を助けるべく炎の中に入った従兄は焼死してしまう。 数日後、彼女の前にどこからともなく黒い馬が現れた。 それまでの退廃の日々と打って変わって、黒い馬と共に領地の自然の中を走る彼女。 その一方で、彼女は誤って燃やした居城広間のタペストリーの修復を職人に命じるものの、タペストリーの中に目を赤く怒らせた馬の姿が再現されるのと前後して、彼女は黒い馬と共に平原に起きた炎に身を投じて死んでいく。
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