映画「世にも怪奇な物語」――第二話「ウィリアム・ウィルソン」

2/17
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/993ページ
二話目は、ルイ・マル監督の「ウィリアム・ウィルソン」。 邦題は「影を殺した男」のようだが、原題の「ウィリアム・ウィルソン」の方が小説としても有名であり、また、内容にも似つかわしいので、以下ではこちらで統一する。 制作当時は、日本でも美男子の代名詞的な存在として知られたアラン・ドロンが主役を務めている。また、この「ウィリアム・ウィルソン」という物語自体も、「黒猫」「アッシャー館の崩壊」に並ぶ、ポーの代表作の一つだ。 第一話の「黒馬の哭く館」はポーの作家デビュー作「メッツェンガーシュタイン」の映像化だが、その次に一般に膾炙した本作を配した構成が興味深い。 この第二話は、「巨匠が豪華キャストでポーの怪奇譚を映像化する」という映画全体のコンセプトが対外的に最も分かりやすい形で反映されており、その意味でも映画全体の中核を成す作品でもあろう。
/993ページ

最初のコメントを投稿しよう!