映画「世にも怪奇な物語」――第二話「ウィリアム・ウィルソン」

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まず、外国から来た母親の手紙を破り捨てる少年時代の描写から、恐らくウィルソンの母親は奔放な女性で愛人の間を渡り歩くなどして息子を放置しているため、幼い彼の中では母親への憎悪が根付いており、その鬱積から身近にいる級友虐めに走ったのかと推察される。 こうした一種ロマン的な悪への動機付けは原作小説には見当たらない。 また、美青年に成長したウィルソンの悪事のターゲットはいずれも妙齢の美女であり、しかも拘束した女性の体にメスを入れる、あるいは裸にした背中を鞭打つ等、明らかに性倒錯的な仕打ちを加えるが、これも映画独自の演出だ。
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