映画「世にも怪奇な物語」――第二話「ウィリアム・ウィルソン」

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医学生時代の女性誘拐及び殺害のくだりは、原作小説には該当部分が存在しない。 これはポーとほぼ同時代にイギリスで発生して世間を震撼させた「切り裂きジャック」のイメージを取り入れた、映画オリジナルのエピソードだ。 第一話では、女伯爵のヒロインがウィリアム・テルの向こうを張るかのように侍従の幼い少年を木に吊るして笑って矢を射掛ける描写があり、それが彼女のサディスティックな性格と残虐行為をしても許容される特権的な身分を象徴していた。 第二話の女性誘拐のエピソードは、主人公の冷酷な気質と同時に、猟奇的な悪のエリート、ダークヒーローの印象を与えるのに貢献している。
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