映画「世にも怪奇な物語」――第二話「ウィリアム・ウィルソン」

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もう一人のウィルソンが現れるまで、周囲の誰一人として、客観的には破廉恥で道徳心を欠いたウィルソンの行為を止めようとしない描写も印象的だ。 見方を変えれば、見せしめに美女を鞭打つウィルソンを黙視することで、周囲の人々は彼女を侮辱する行動に加担してもいるのである。 映画では、寄宿舎時代の級友たち、医学生時代の悪友たち、カジノでの社交界仲間等、ウィルソンにかしずき、彼の悪事を黙認、時には協力すらする周囲の人々の姿も克明に映し出している。
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