映画「世にも怪奇な物語」――第二話「ウィリアム・ウィルソン」

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小説のウィルソンは鏡張りの部屋の中で孤独に死んでいくが、映画のウィルソンは人生の頂点からの転落を象徴するかのように、街を見下ろす時計塔から身を投じて息絶える。 物言わぬ骸(むくろ)となった彼の周辺にミサを終えたばかりの信心深い人々が集まり、あたかも殉教者に対するかのような悼みの祈りを捧げる場面で、物語は幕を閉じている。 善悪一体となって死してもなお、彼はやはり、衆目を集める存在なのである。
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