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今や、すっかり現代病の一つとして定着した「うつ病」。
「新型うつ病」「冬期うつ病」等、新たなバリエーションも次々出てきて、「心の風邪」としての認知度を高めつつあるようだ。
ところで、この「うつ」という言葉を漢字に変換しようとすると、該当する文字が二つ出てくる。
「鬱」と「欝」だ。
ネットで検索したところ、「欝」とは「鬱」の俗字であり、したがって本来は「鬱」を使うのが正しいのだという。
確かに「鬱」の方が、上の部分に「缶」、中間にワ冠を挟んでいるせいか、雑多な感情に蓋をして、その上に重しを載せて詰めた、抑圧的な心理状態に見える。
これに対して、「欝」は下の部分が「伯爵」や「公爵」の「爵」の字と共通しているせいか、白い鬘(かつら)を着けた昔風の高貴な中高年男性が何とはなしに落ち込んで頬杖をついている絵面が浮かんでしまう。
「鬱」が治療を要する病理だとすれば、「欝」は一時的な気分。字面からは、そんなイメージも連想される。
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