二月、第二金曜日

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 意外にも俺のものはいきり立っていた。  温みにあてがい、強張る体を一気に貫いた時、ほのかに漂った独特の匂い。  あいつとの、情事の残り香。  俺は喉から手を離した。 「――……」  空気を貪り、深呼吸しかけた唯のタイミングに合わせて突き上げると、息を詰まらせて彼女は呻く。 「……い……やっ、子供が――止めてえっ!!」  歪む顔を見つめ、無我夢中で責め立てていた。  君の悲鳴が心地好いよ、唯。  何十回と叫ばせた頃、ふらつく唯を起こし、壁に手をつくよう言った。  薄暗がりの中で唯から離れた時に浅く糸を引いた粘液には、僅かながら赤いものが混じっている。 「……何、する……の」 「黙ってやれ」  傍らのサイドボードから取り出したものを装着し終えた俺は、唯の脚を広げて腰を捉え、尻を掴んだ。 「気持ちいいこと、好きなんだろう?」
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