二月、第二金曜日

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「……あ、お帰りなさ――」  寝返りをうって仰向けになり――はっと息を呑んでそろりと身を起こした唯の、子供を身籠って豊かになった膨らみが一瞬あらわになる。  頭が脳天からすうっと冷えていく感覚と共に、訊いた。 「さっき、やつが来てたろ」 「……え」 「下で会った」  寝起きだが唯は明らかに狼狽えている。胸元を毛布で覆い、視線を床に向けたまま、小さく開いた唇から発する言葉を探しているようだが、裸で居る理由なんか考えるまでもない。  またしてもやつに体を任せて、快楽を味わっていたというのか? 「そんな格好で」  俺は目を細めていた。 「何、してたんだ?」  咄嗟に一歩踏み出して、唯の頬を右手の甲で張っていた。  短い声を上げてベッドに倒れ込む姿を見ても、哀れみや罪悪感はまるで湧かない。
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