8人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうですか。無理言ってすみませんでした。」
ガイスラー少佐は笑うと
「いえいえ。皆、殿下のためなら喜んで作業して
ますよ。」
話した。
少佐はある隊員を見つけると
「ラインヴァッサー伍長」
手を挙げ呼んだ。
呼ばれた伍長はた、た、た、と小走りに2人の元
に駆けて来た。
「殿下、お疲れ様です。」
とヴィルヘルムに先ず挨拶し、少佐に向き直ると
「お呼びでしょうか?」
返事をした。
「今回の功労賞はこのラインヴァッサー伍長で
す。」
と少佐は笑顔で言うと伍長の肩をパン、と軽く叩
いた。
「いえ、そんな事は」
と言いかける伍長に
「君は…溶接工だったか?確か、ヴァイデ親方の
所の、」
ヴィルヘルムが話した。
「え!よくご存知ですね。親方と顔見知りです
か?」
伍長はぱぁっと表情を明るくさせ、愛嬌のある顔
で聞く。
「うん、小さい頃親方に世話になってね。」
伍長は嬉しいらしく
「今回の支援も親方に『殿下の手助けに行ってこ
い』と言われて」
と話した。
最初のコメントを投稿しよう!