第1章 ショコラな私

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8時15分登庁。 まだ誰もいないフロア、おそうじのおばちゃんと朝のあいさつ。 デスクの引き出しからコーヒーパックをだした私。 湯沸し室に入り、まずはやかんでお湯を沸かす。 お湯をポットに移し、今度はコーヒーパック袋の口を開ける。 お湯を少しいれ蒸らす。 つぎにくるくる廻し入れ…出来上がり。 朝のコーヒーの入れ方、適当だけど。 湯気の立つコーヒーカップを両手で持って自席につく。 デスクトップにパスワードを入力して起動させる。 それからノートパソコンも起動させる。 ぼんやりコーヒーを飲む私。 そろそろ他の職員がやってくる。 「おはようございます」「おはようございます」 丁重なあいさつが飛び交う。 役所の朝は、丁寧な挨拶で始まる。 なじめない……できるだけ早く来て、パソに囲まれてコーヒーをゆっくり飲む私。 始業1分前、パタパタといつもの靴音。 「優菜オス、おはようございまあす」 坊主上司がやってきた。丁寧だがこいつの挨拶はなぜか可笑しい。笑える。
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