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だって、褒められたから褒め返しただけなのに何でか罵倒されたんだぜ? それがツンデレだったら嬉しいんだけどさ、明らかに絶対零度の無表情だったもの。
「何落ち込んでるんですか? 冗談ですよ、じょ・う・だ・ん」
「冗談ならその無表情は何なんでしょうかねぇ、ミレアさんよぉ……?」
「デフォルトです。私無表情キャラなので」
「自分でそう言う奴は無表情じゃないのが定石なんだぞ。覚えとけ」
「はい。忘れました」
「はやっ!? 覚える気ないだろ!?」
「はい」
俺とミレアがこんなやりとりをしているのを見て、理事長は何故か微笑んでいた。俺は舌打ちをしてミレアから視線を離す。
「ちっ…………もうこんな部屋から出るぞ。俺は一刻も早く理事長から離れたい」
「愛情の裏返しだね☆ 分かるよっ☆」
「何でこんな奴が生きてんの? マジで」
「理事長は一応この大陸の五指に入る程の実力者ですからね。なかなか死んでくれません」
「ボクはいつでも現役だよ☆ きゃは☆」
こんな奴が五本の指に入る程の実力者ぁ……? 世も末だとしか言いようがないな。
俺は舌を出してピースを向ける理事長に背を向けて、この部屋を出るためにドアノブに手をかける。しかし俺は、言い忘れてた事を言うために振り返る。
「そうそう…………次、俺に殺気を向けたら容赦しねぇからな。そこの精霊さん」
「……!?」
「んじゃ、アデュ~」
俺の言葉に初めて驚愕の顔を見せた理事長を見て満足した俺は、口に笑みを浮かべてこの部屋から出た…………。
「…………フィレア☆」
【…………何でありますか?】
「君……殺気なんて出してたの?☆」
【……ほんの一瞬、微量に出していたのかもしれません…………自分でも分からないでありますが】
「ボクにも分からなかったんだけどね☆…………あの子、只者じゃないよ☆」
【正直、勝ち負けなど関係なしに…………相手にならない? いや、そもそも勝負するべきではないと、自分の頭が警鐘を鳴らしてたであります】
「そうなんだ☆……いやぁ、大物のスピリートが入ってきたね☆ ボクも満足だよ☆」
【あの……そろそろ離れても良いでありますか?】
「良いけど……何で?☆」
【貴方の所為…………いえ、ちょっと気分が優れなくて…………それでは】
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