禁断の御業

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時は少し遡る……。 ───────── ────── ─── 「なん……だと……?」 あっ、無意識に苺の真似しちゃったよ。 俺は唖然としている自分の顔を真剣にして、精神世界の住人であるユコラに問いかける。 「本当に…………フーレスを取り戻す方法があるのか?」 《うん。それなりに簡単だし、手間はかからないよ》 その真剣な問いにユコラは飄々とした声で簡単に答えた。それは嘘を混じえてない本心であったため、俺は思わずガッツポーズで喜んでしまった。 しかし、世間は甘くなかった。 《でも、君に大きな異常をきたす可能性があるよ? それでもいいのかい?》 「ああ、構わない。それでフーレスが助かるなら」 俺は迷うことなく即答した。いや、本当なら迷うつもりだったのだが、口が…………そう、勝手に動いたんだ。俺の意志に背いて体が、本能がフーレスを早く助けろと告げた。 だが俺はそれに逆らうような事はしない。悩んでも結局行き着く先はそこになるのだ。逆らった所で結果が同じならば不毛な事はしない。 《流石だね……それこそ【愛】だね。君が持つに相応しいチカラだよ》 「元はお前のチカラなんだけどな。お前に【愛】なんて似合うとは到底思えないが」 《悪かったね。これでも必死に愛というモノを知ろうとしてるんだよ? だけど、やはり別次元の者に愛なんて芽生えないんだよ……》 《オタクの奴らに謝ってこい。次元を越えた愛ってもんを教えてくれるぞ》 まぁ、俺なら次元が違っててもそれを同じにしてオタクの嫁とやらを現実にすることができるけどな。ほら、敬えー。 《僕は君寄りの存在だっただけで、決して全てと同じな訳じゃないからね。僕にだってできない事くらいはあるのさ》 「真の原初って肩書き持ってるくせによくそんな事言えるな? お前にできない事って何だよ?」 《君を倒すこと》 「確かにそれは不可能だ」 つーか、もう俺を倒せる奴居ないだろ。 「───って、話がずれたな。んで? 早くフーレス戻す方法を教えてくれよ」
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