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「………悪魔」
「ほんと愉しそうに笑ってますわね」
「若干怖いのは俺だけかなぁ……」
「流石ミレア君の召精霊だね……」
「あんな風に笑うなんてミレアより性格悪いですね。鬼畜です」
「「「「え?」」」」
「全員後で覚えておいてください」
だーれが性格悪いだ。罪には罰を与えるのが道理なんだよ…………楽しんでるのは否定しないけども。
デストロイソースを流し込まれてるフェルマは目を一瞬白黒させた後に気絶してしまった。口から赤いものが足れてるけど、決して血ではない。
「ふんっ。バカなことするからよ」
そんなフェルマを容赦なく外へ投げ捨てるフロー。相変わらずムルを溺愛しすぎて、他はどうでも良さそうである。
さて、これにて一件落着……と言いたいのだが、まだバレンタインは終わってない。しかし、ミルは渡すチョコを失ってしまったのだ……ならどうするか。
決まってるだろ。作ればいい。
「ミレア、ミルを呼んできてくれ。事件が解決したことも伝えてほしい」
「ふふ……分かりました」
ミレアはもう何か勘付いたみたいだ。何でそんなに勘というか空気が読めるのかはまだ定かではない。なんかスーパー超人なんだろう。
「後の奴らはリビングで待機しといてくれ。俺はちょっと準備するから」
ミレア以外の奴は疑問符を浮かべながらも頷いてこのダイニングからどっかへ行ってくれた。リビングが手狭になってるだろうが仕方ないだろう。
みんなが行って少し息を吐いた俺は、材料の確認をする。
「……ま、1個分なら余裕だな」
彼女は胸にポッカリ穴が開いた気分だった。目から出る涙も全然止まらない。
「ほら、ミル……元気出して……」
ムルがミルの頭を抱き締めながら慰めているが、今の彼女はショックの方が大きいため泣き止むまでには至らない。いつもは母のように振る舞うムルも困っていた。
(どうしよう……下手な言葉は掛けられないし)
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