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だが、フーレスが全てに等しく思っている俺の前ではその躊躇いは無駄。例えどんな悪行であろうとも俺は成し遂げ、フーレスの復活に全てを注ぐであろう。
「うぅぅ…………戻ってこいッ!! フーレスッ!!」
俺は【同型】のユニークを発動した。座標は俺の家のベッドを選択して、フーレスの全てを俺の何かを代償に復活させる。いや、復活じゃない……フーレスが消えるまでのフーレスを新たに生成するんだ。
だが、それはフーレスだ。それ以外の何者でもない。
「────っ。はぁ……はぁ……」
やった……できたぞ…………ついでに他の奴らも復活させておいたし…………これで、俺は安心────
ドクンッ
「うぐっ!?」
ドクンッ
体の奥が熱くなる。胸の動悸が速くなる。目の前が眩む。
ドクンッ
《セイム君!? どうしたんだセイム君!?》
《おい! 馬鹿! どうした!》
《騒がしいわね……妄想中なんだから静かにしなさいよ。ホモにしてやるわよ?》
ドクンッ
精神世界の住人の慌てる声が響いてくるが頭に残らない。声は霧散して頭の何処かへと散りばめられていく。
ドクンッ
「あっ、かはぁ……っ!?」
ドクンッ
立ってられなくなり、俺は地面に倒れこむ。視界が霞み俺の世界が揺らいでいく…………。
ドクンッ
「はぁ……かはぁ……ううっ…………」
ドクンッ
俺は胸を押さえて踞る。少しでも痛みが和らぐように色んな工夫をしているが何も変わらない。チカラとかを駆使しているが何も変わらない。
【不破】すら何も効かない…………これが、これこそが…………代償。
ドクンッ
「はぁ…………あっ………………」
ドクンッ
もう目も開けられていなくなり、余りの痛みに俺は意識を手放してしまった……。
ドクンッドクンッドクンッ……
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