紅の月

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プリンス琥太郎の下で働くユウの仕事は魔女狩りや狩った魔女をプリンス好みに仕込む事だ。 魔女狩りの時は長期間留守にするが、調教の時は毎晩屋敷に帰ってきた。 今回も長期留守にし、経緯は分からないが股間に怪我をして帰ってきた。 成実はそんなユウの為に甲斐甲斐しく世話をした。 元来手先が起用で裁縫が趣味だったのもあり、闘病中にユウの着物を仕立てたりもした。 成実は魔女としての能力は低く、戦い等にも役立つ技も無い。 だが、手先の器用さが幸いしユウに気に入られ飽きられずに屋敷で暮らしていた。 成実の前にも女性が居たようで、屋敷に来た時に女物のサイズの違う服が無造作に空き部屋に投げ捨てられていた。 成実はそれらを丁寧に洗い、片付けた。 いつか自分も、この服の様に放り出されるのだろうか? そう思いながら。
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