1人が本棚に入れています
本棚に追加
意外そうなクラスティの声に思わず否定するも、真っ赤になりながらの否定では、肯定しているようなものである。
「それで?シロエ君はくれないんですか?」
シロエの態度に、人の悪い笑みを浮かべながら催促をしてくるクラスティにシロエは、
「くれないもなにも、持ってません。」
「はい?」
「あげる予定ではあったのですが、沢山頂いているようでしたので。帰りにギルド会館に寄ったときに小腹が空いたので会議のメンバーとお茶がてら食べちゃいました。」
「つまり、他人にあげたと?」
「美味しかったですよ。」
ニッコリと笑いながら返せば、拉致って来た時よりも凶悪な雰囲気を醸し出したクラスティにいきなり唇を塞がれる。
「…んっ。…ちょっ!?クラスティさ…。」
いきなりの事に、抗議しようとした言葉ごと蹂躙される。
長くて執拗なキスにシロエがグッタリとクラスティを見上げれば、彼はニッコリと笑いながら
「私にあげる贈り物を君が食べたのなら、贈り物は君自身ということで良いですよね?」
そう言いながら、大きな影がシロエにのし掛かってくる。
「あまりの美味しさに、うっかり理性が飛んでしまったらすいません。」
と確信犯の笑みを浮かべながら…
最初のコメントを投稿しよう!