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「もうすぐ、アラフォーの波に乗るって本当?」
睫毛を直しながら茉里が恐ろしい事を聞いた。
鏡子さんの顔は強張り、ギロッとオッサンを睨み付けた。それがよっぽど怖かったのかオッサンは首を恐る恐る左右に振る。
そういえば、昔から不思議だった。
この二人、付き合いはかなり長いはず。片一方は女性が好きで片一方は男性が好き。
そんな二人がずーっと一緒にいるのに付き合っているとか聞いた事がない。
「あのう。お二人はお付き合いされているんですか?」
僕の問いに二人は目と目を合わせる。
「お前、随分とスゲー口叩くようになったな」
「本当よね」
「大体、こんな年増興味ねぇよ」
「私だって、どうせならもっと若い方が良いわよ」
プイッとそっぽを向いてそれっきり目も合わせようとしない。
そう言いながらも、どちらとも何となく顔が赤いのは気のせいだろうか?
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