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「じゃあ、雪人くん、向こうの世界で使う名前を聞こうか」
「名前?」
「うん。まあ、今のままでも構わないけどね」
「変えた方がいいのか?」
俺がそう尋ねるとバリオンは腕組をしながら考え始めた。
「いや、別に無理に変える必要はないよ。ただ、向こうに行ったら考えるよりも今考えておいた方がいいかなと思って」
「そうか・・・じゃあ、カイン。カイン=ユークリウッドで行くよ」
「早かったね・・・」
「当たり前だろ、これは俺のネトゲでの名前だからな。一回真面目に使ってみたかったんだよな」
「そうかい」
そういうと、バリオンは背中に七枚ずつの羽を出現させた。
「では、これから君には二度目の人生を送るために《エリュシオン》に転送するね。《エリュシオン》で、君の活躍を期待しているよ」
「おうよ」
「ふふっ。それでは、いい人生を」
バリオンの言葉をそこまで聞いて俺は意識を手放した。
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