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靴下を脱ぎ構える。
久しぶりの感覚に体が震える。
「振ってみなよ」
体が覚えている。
息が弾む。
俺はやっぱり、剣道が好きだ。
「どう?」
「入部、希望します」
「ホントに?良かったよ。部員がカツカツだったからさ。ありがとう」
「俺の方こそ、ありがとうございます。大事なこと、思い出せました」
それからの俺は、弱小と言われるこの剣道部で、懸命に腕を磨いた。
時には出稽古もいとわず、ただがむしゃらに。
強くなりたい!その一心で…
その甲斐あってか、俺はあっという間に、県で一・二を争うほどの、高校生ではかなりの強さで有名になっていた。
こうなったら県でトップになり全国で…
回りの期待が誇らしく、夢は膨らむ一方だった。
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