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そんなある日―――
「中学と合同合宿練習?」
「そっ…地元の中学生とね。毎年恒例なんだ。みんな流水に憧れてるらしいからさ。相手してやってよ。頼んだよ」
主将の言葉に、この時の俺は『無意味だな』と真っ先に思っていた。
中学との合同なんて意味があるのか?
こっちはボランティアじゃないんだ。
面倒くさい…こんなこと意味がない と。
俺より強い相手は、全国大会くらいにいかないとお目にかかれないだろう。
そんな暇があるなら、筋トレしている方がマシだ。
俺は強くなりたい!
時間の無駄でしかない!
そんな俺の心理を読んだのか、主将は俺を見てニヤッと笑う。
「なかなか面白いよ」
「そう…ッスか…」
目を逸らす俺に
「いいことあると思うけどなあ」
意味深な物言いをする。
「いいこと?」
「まあまあ、お楽しみだ」
ちっとも楽しみ気分になんかならないッスけど?
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