決定打

12/15
前へ
/37ページ
次へ
瞳を潤ませる私を見つめ 和成さんが言葉を落とした。 「話してくれてありがとう。 だけど奈緒は… 一生そのままでいるつもり?」 「……………」 「秋人さんへの想いは 消せないのは当然だけど そこから歩み出して もう一度誰かを 愛してみようとは 思わないの?」 「…それは…」 言葉に詰まった私を 和成さんは包み込んだまま 小さくため息を吐き出す。 「俺もね、奈緒と 同じような思いをして来た。 だけどそこから歩み出せたのは 奈緒がいてくれたからだよ」 彼の言葉の意味が解らずに 首を傾げた私に 和成さんは静かに語りだした。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

835人が本棚に入れています
本棚に追加