決定打

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「俺自身もあの頃、 色彩を失った暗闇の世界で 生きていた。 毎日が息が詰まるような… 何のために自分は 生きているんだろうって 自問自答を繰り返しながらね。 だけど… あの日、初めて奈緒に会った時 なんで君があんなにも 見ず知らずの俺に 親切にしてくれたんだろうって 不思議に思った。 あの当時の俺は誰にも 優しくなんて出来なかったから」 悲しそうに瞳を揺らす 和成さんをじっと見上げる。
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