決定打

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小さく微笑んだ彼は 私の涙を指でなぞった。 私の苦しみをひとつひとつ そこから消し去るように。 「きっと奈緒は… 若くても苦労して来た 人なのかなって。 人は辛い思いをした分、 人に優しくなれる ものだと思うから。 あの日の奈緒は 俺を暗闇から救ってくれた。 厳冬の中にも 咲く花はあるって、 そう思わせてくれたんだ。 だから俺は… 君にその壁をどうしても 乗り越えさせてあげたい」
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