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「私の…過去です」
「…うん」
「彼…あっ…あき…」
ダメだ。
やっぱり彼の名を
口に出そうとするだけで
息が苦しくなる。
こらえ切れず
胸をおさえると
和成さんは悲しそうな瞳で
私の肩を抱いてくれた。
「大丈夫。
ゆっくりでいいよ」
回された手から
伝わる温もりに
心がホッとして、
閉じた瞼に浮かんだ彼を
思い浮かべながら
私は記憶を辿って行く。
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