アイスの賭け

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私はクスクスと笑いながら布団を引き上げてカラダを隠した。 そして、布団から腕を伸ばして直人くんの頬に触れる。 「目が…赤い。直人くんこそ…ウサギみたいだよ」 「俺は黒いじゃん」 「黒いウサギだっているじゃない」 「筋肉質のウサギなんて可愛くねえよ」 「…ううん。かわいいよ」 私は直人くんに浅いキスをする。 そして、指先で目じりに触れる。 「赤い目は…眠れなかったの?私のこと考えて?」 私は少しふざけて彼に言う。 「そ、奈々とこうするとこ想像してたら眠れなかった」 直人くんもふざけて返す。 「でも…」 直人くんが私の髪の毛に触れ、手の甲で私の頬を撫でる。 「ここまでリアルには想像できなかったし…想像以上だし…予想外のこともいっぱいだ」 私は今更だけど、恥ずかしくなって直人くんのカラダにさらに寄って、顔を隠した。 「奈々は…眠れた?」 「うん、ぐっすり」 「なんだよ、それ」 「…嘘。眠れなかった…」
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