第13話 小田切基道編②

4/37
前へ
/37ページ
次へ
 小橋少年から聞いていた特徴とも一致する。  本当は走って行きたいが、目立つ行動は控えなければならない。  だが。 「小田切さんっ、待ってください!」  そんな大きな声で呼ばれては、目的の女性以外の視線も集めてしまう。  小橋少年の母親と思われる女性がこちらを見上げようとしたとき、僕は千華子さんへと振り向いた。 「すみません」 「いえ、どうしたんですか? 急に走り出して」 「いえ、少し気になるものが見えて……」 「気になるもの?」  千華子さんが階段へと視線を移す。それに合わせて、僕も視線を動かした。  ターゲットの女性は、階段の下に向かって手を振っている。  誰かと待ち合わせていたのか?
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

575人が本棚に入れています
本棚に追加