a stray cat

5/7
120人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
悟がシャワーを浴びてくるように言うと、ソラは大人しく従った。 風呂上がりのソラをソファーに座る自分の元へ呼び寄せ、一つずつ傷を消毒してやる。 「……酷いな」 悟の言葉には何も返さず、ソラはただ微笑んだ。 「終わったぞ」 「ありがとう」 ソラは床にペタリと座ったまま悟の膝へ頭を寄せ、体重を預けた。 「眠いのか。家まで送るよ」 「帰る場所はないの。ここで眠らせて」 再び顔を上げたソラが悟の視線を捕らえる。ソラの瞳に捕まると、悟は瞬時に魅入られてしまう。 厄介なことに首を突っ込むのは御免だと思っているはずなのに、 「ああ」 気がつけば催眠術にでもかかったかのように、頷いていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!