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悟がシャワーを浴びてくるように言うと、ソラは大人しく従った。
風呂上がりのソラをソファーに座る自分の元へ呼び寄せ、一つずつ傷を消毒してやる。
「……酷いな」
悟の言葉には何も返さず、ソラはただ微笑んだ。
「終わったぞ」
「ありがとう」
ソラは床にペタリと座ったまま悟の膝へ頭を寄せ、体重を預けた。
「眠いのか。家まで送るよ」
「帰る場所はないの。ここで眠らせて」
再び顔を上げたソラが悟の視線を捕らえる。ソラの瞳に捕まると、悟は瞬時に魅入られてしまう。
厄介なことに首を突っ込むのは御免だと思っているはずなのに、
「ああ」
気がつけば催眠術にでもかかったかのように、頷いていた。
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