勇者と幼女の出会い

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「ヒィィッ!た、助けてくれええ!」 馬車を連れた商人が悲鳴を上げる。 周りには4~5人の山賊。正に窮地だ。 「クケケケケ!誰も助けに来ねえよ!何てったってオレ達は最強のスカウトパーティーなんだ。オレ達に逆らえるヤツなんて1人もいねえ!」 リーダー格と思われる長身の男が高笑う。 「そ、そんな……」 絶望の色を顔に浮かばせる商人。ここで自分の命は終わるかもしれないんだ、そうなるのも無理はない。 「助けて欲しけりゃ身ぐるみ全部剥ぎなさい!」 と、浅黒の女性スカウトが忠告する。 「わ、分かった!」 そう言うと商人は下着を残して服を脱いだ。 「ほら、さっさと消えろ!」 「ハヒィッ!」 商人は山賊達に背中を見せて逃げ出した。その商人の背中目掛けリーダー格の男が刃渡り30cm程のダガーを投げる。そしてそのまま商人にーー 「ふんっ!!」 ーー当たる前にどこからともなく現れた、黒マントを羽織った1人のイケメンがそれを右手の人差し指と中指で止める。 あっ、今のオレっす。勇者っす!
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