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「そうだね……」
残念だがここでリアンとはお別れだ。友達になったばかりなのにここで離れ離れになるのは正直寂しい。だがそれはオレのわがままだ。
「じゃあ、元気でな!」
その気持ちを悟られないよう出来る限りの笑顔で送り出す。
「うん!」
リアンもそうなのか、眉尻を下げて笑顔で応える。
「また、どこかで会おうね!」
そう言ってリアンは身を翻して歩き出した。
「あぁ!またな!」
この世界は広い。だからこの先もう逢えないかもしれない。だがオレはまたリアンに逢えると確信していた。それはオレとあいつが出逢えたのは運命だと思ったからだ。だからいつか……
オレはリアンの背中が見えなくなると、宿屋に入る事にした。
と、ここで気付く。
『アリス達はこれからどうするのだろうか?』
そう、アリス達はまだ幼い。だからこのままだとまた奴隷商人達に捕まる可能性がある。
という事は保護者と家が必要だ。なら……
「アリス……」
「はい!」
「暫くオレと暮らさないか?」
『オレのところで暮らすか?』だとアリスに選択を迫る事になる。そうなるとアリスは遠慮するだろう。だからそうならないようオレが頼み込むように言った。
「い、良いんですか……?」
「逆に、オレ的にはいた方が賑やかになるから嬉しい」
そう、これはオレの本心だ。
今まで孤独に暮らして来たから何か寂しかった。だからアリス達がいたらそうならなくなって楽しい日々を過ごせる事になるだろう。
「一緒にいてくれるか?」
アリスはエミリと目を合わせる。
さあ、どうなる?
アリスとエミリはコクリと頷いた。そして……
「よろしくお願いします!」
「………します」
アリスとエミリは一緒に頭を下げる。
「あぁ!よろしくな!」
こうしてオレの家に幼女2人が住む事になった。
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