第1話

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「嫌だ、先生、お願い」 「――止まらない、と言っただろう」 「違う!」 ――中の動きが止まった。 抜かれることはなかったけど。 ぎゅっと抱きしめられて その手が少しだけ震えていたから 先生も不安なのかもしれないと はじめて思った。 「先生、お願い」 顔を 「顔を、見せて」 言った瞬間、身体が反転した。 抜き取られた指の感触よりも 吸い取られた唇と激しく絡みつく舌が熱くて 唾液が絡んで 息が漏れて 太腿に感じた先生の昂りが嬉しかった。 後ろ向きの方が俺が楽なんだって、先生が教えてくれた。 初めてだから。 痛くないようにって。 そんなことは知らない。 俺は、先生と抱き合いたいから。 抱かれたいんじゃなくて 顔を見て抱き合いたいから。 言ったらくしゃくしゃに顔を歪めた先生は いつもより少し子供っぽく見えた。 その後の言葉は恐ろしかったけど。 「自分で貫通できる?」 一瞬で青ざめた俺に 労わるような優しいキスが降ってきた。 「無理はさせない」 髪を撫でて 「僕も、君の顔が見たい」 そう言われたから、覚悟を決めた。
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