第1話

7/14

79人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ご褒美だ」 言葉と一緒に、舌先が耳の穴に侵入した。 水音が脳内を侵食する。 上半身はぴたりと重なって、擦れる肌の感触はさらに興奮を誘った。 「ふ、あ……っ」 心地良い熱に酔っていたら、後頭部を掴まれ一瞬身体を引き離された。 そして、 「せんせ」 ばちっと目が合った。 ニヤリと笑った顔を見た。 戸惑う間もなく 「――!」 唇を、塞がれた。 そんな乱暴な、貪るようなキスを したことはあっても、 されるのは初めてで 夢中で返す。 絡みつく舌に翻弄されながら 伝わってきた先生の昂りが嬉しかった。 上顎をなぞると少しだけ吐息を漏らした。 ここがイイのかもしれないと集中的に狙いに行こうとしたら、 それが気に入らなかったのか舌が逃げて、 代わりに唇を甘噛みされる。 「……っ」 主導権はすぐに奪い返された。 馬乗りになって押し倒してきた先生が、慣れた手つきでベルトを外していく。 その先が怖くて、離れてしまった上半身に縋りつくように背中に手をまわした。 肩甲骨にそって指を動かすと、肩口に顔を埋めた先生が舌を這わしてくる。 下を脱がそうとする手はその間も止まらなかった。 ファスナーが降ろされたのが分かると、手伝うように自分で腰を上げる。 まるで先を誘う女みたいに。 熱くなったものが空気に触れた。 怖くなって巻きつけた両腕に力をこめる。 先生の手が包み込むように俺のモノを上下に擦って、 瞬間耐えかねて情けない声が漏れた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加