第8話

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『な、なんで、俺が握りしめられてるんだ...』 と、俺の手の中でもがき苦しんでいるのは、安達の連れの1月である。 「あ、あのさ、ってことは、妖精さんは、13人いるってことなの?かな?」と、質問する幼気な少女は、佐倉文恵。若干13歳。連れは、やよい。 『私たちは、妖精じゃないわ。 小人よ。 文恵さんが言ったように、私たちは13人よ。』と、答えるのは、俺の連れ、ミサキ。 因に、なぜか口調が違う。 「なるほどな、小人か。 なんで飛べるのかは分からないけど、さっきのバトロイといい、無理矢理ではあるけど、説明がつくな。」と、答えるのは、俺、馬渕大知。中3。 「んで、なんで俺等は、バトロイなんてさせられた訳だ?」と、安達の質問にたいし、やっと俺の手から脱出したジャンが『あ?それをお前等に言わなきゃ駄目か?』などと生意気な口を叩いたので、もう一度つかむぞ、と、ジェスチャーを送った。  すると、『はぁ...しゃーねー。殺されないうちに言っておくか。』と、弱気発言。 『え!言っちゃうの!だ、駄目だと思う...けど...』というのは、やよい。因に、この話で、最初の台詞である。  『俺の命は、どうなっちゃうのさ!安達が...この先闘えなくなっちゃうぞ!』 おれは、1月の言葉が引っかかった。「この先、闘えなくなる」どういう事だ?戦いは終わったんじゃ... 『いいえ、終わってなんかいませんよ』と、やよいが言ったあとに続けて、ジャンが続けた。 『あのバトロイはな、言わば、「ドラフト会議」みたいなもんだ。野球のな。んで、小人がついてるのは、有望株、ヨーするに、ドライチってことだ。そんなドライチ君は、この、パラレルワールドに出現する、数々の脅威から市民を守る使命があるんだ。』 「「「パ、パラレルワールド!?」」」 『そ。この世界を作ったのは、俺等の世界の最高指導者様さ。お前たちの世界とそっくりに作られている。運命さえも、そっくりそのままさ。ま、何がおこるかは、だーれも知らないんだけどな。だけど、この世界で、唯一違うのは、脅威、だ。』 「きょ、脅威って...なんなんだよ...」と、安達。
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