シュウライ

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理由はわからないけど、私は彼にとって特別なんだ。 それでいいじゃないか。 彼に対して、私がこれ以上求めなければ済むこと。 果たして、私にそんな器用なことできるのか。 彼女の存在を認めたうえで、彼と今まで通り接していけばいいだけ。 今まで通りと言っても、別に付き合っているわけでもないんだけどね。 だったら、この関係は何? キスフレンド? 違う、てか、そんなの無理。 今流行りの(流行ってるのか?)友達以上恋人未満とかいうやつ? それも違う、そもそも、私と彼は友達じゃないし。 なら、私は……浮気相手? 彼の左巻きの旋毛を目にしながら、自分が導いた答えにハッとした。 何故なら、それが一番しっくり来るからだ。 浮気相手って。 それこそ無理。 28歳結婚適齢期の私が10歳も年下のしかも生徒の浮気相手になるなんて、断じてあってはならないこと。 非現実すぎる。 虚しすぎる。
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