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「こっち」
余計な言葉を発すことなく彼を寝室へ招き入れた。
寝室の電気をつけ彼の姿が照らし出されると、そのどんぐり眼を更に大きく見開いて辺りを見回している。
心なしか、彼の黒目がダイヤモンドが見えるのは気のせいだろうか。
「わぁ、ももちゃんの寝室だーっ!」
叫ぶなり、私のベッドへダイブして右へ左へゴロンゴロン。
「そんなに暴れたら熱があがるわよ」
子供のようにはしゃぐ彼に小さく微笑み、ベッドへと横たわる彼の頭の下に氷枕を滑らした。
「ありがと、ももちゃん」
赤らんだ顔でニッコリ笑って私の布団に潜り込むと、布団から目だけを出して私を潤んだ瞳で凝視する。
「ももちゃんの匂いがする……なんかエロイ」
再び爆弾発言が耳に飛び込んできた。
「はい?何がエロイのよ!馬鹿なこと言ってないで早く寝なさい」
まったくもう、いちいちドキドキすること言わないでほしい。
からかわないでほしい。
けど、昨日布団カバー洗っといて良かった、あは。
叱られた彼はシュンとした表情を浮かべると、頭までスッポリと布団を被った。
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