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「きゃあっ!」
ジュピターが背に回り込み、リーアは後ろから抱かれるようにしてジュピターの膝に乗せられた。
「リーアちゃん……」
「……っ」
耳に届く声が微風となって耳を弾き、リーアの身体がぴくりと跳ねる。
背中に押し付けられたジュピターの胸の鼓動が早鐘を打っていることに気づき、リーアは赤面した。
「…………好きだよ」
「――――っ、は……っ、んんっ」
耳元で吐息を吹きかけられながら囁かれる甘い言葉は耳朶をそうっとかすめ、そうして唇がゆっくりと触れた。
ぼうっとする意識の中、浮かぶ言葉を探そうとリーアは吐息を吐き出し、恥じらいから顔を隠すべく、すぐそばにあるジュピターの胸に顔を埋めた。
「……私も……、私も……好き……、大好き…」
リーアは力なくしだれる手を震えながらもジュピターの背に回した。
真っ赤に染まっているだろう顔を見られないようにと、ぎゅっと瞳を瞑るリーアの華奢な身体はすぐにも離され、そうしてジュピターの腕に吸い込まれるように掻き抱かれた。
その余りにも強い力にリーアは驚いて、はっと息を詰まらせるも、ジュピターは解放してくれそうもなかった。
「……はぁっ、はっ……んっ……」
掴まれている腕がひどく熱い。
「…………ね、私……おかしい。
身体が……あつい……よ」
ジュピターに抱き締められているリーアの身体が震える。
「……リーアちゃん、ちょっと俺――」
「――――え?」
顔をあげるリーアの目に、ジュピターの苦しそうな表情が映る。
息を荒げ、何かに堪えるように瞳を伏せる彼の呼吸は驚くほど速い。
「……ごめん、リーアちゃん……頼む、逃げて……」
哀願するようにそう言ってリーアを腕から離したジュピターは、何かに堪えるようにして下を向いた。
「……ジュピター……?」
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