出来心だったんです……!

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「っあああっ、はぁっ、ふぁ……!」  背から回されるジュピターの指先が水を跳ねあげる音を立てる。  身体を何度も突き抜けていくえもいわれぬ感覚にうち震えながら、力が入らない手でジュピターの腕を制そうと試みるも、熱に浮かれるリーアの目に届いたのは、容赦のない光をたぎらせるジュピターの瞳。 「だめだよ、逃がさない。  何度も警告したでしょ、逃げて……って」 「…………!」  ジュピターはそうして逃げ腰になるリーアの腰を引き寄せ、ゆっくりと沈めさせた。 「あああん、ああっ、ふぁああ……っ!」  リーアの疼く身体にふわりとした浮遊感が走り抜け、未知の感覚が一気に背から駆け上がっていく。 「――――っ、あ……!」  一際高い波にさらわれるようにして数回波打つと、一気に気だるさが身体を覆ってゆき、リーアはだらんと脚を投げ出した。  そこでようやく解放されたリーアは脱力したまま、背のジュピターにもたれかかり、涙に浮かせる顔を彼へと流した。 「……はっ、はぁっ……」  肩で息するも、声は出せずにいるリーアの身体をふわりと包み込むものがあった。 「…………リーアちゃん、ごめん……抑えが利かなかった……」  拗ねるようにしてそうっとリーアに甘えてくるジュピターは、まるで子供みたいにびくびくしながらそう言った。    聞けば、リーアに口移ししたチョコレートに媚薬が入っていたらしい。  むすっとむくれたリーアはうなだれるジュピターに向かってこう言った。 「来月はしっかりお返ししてあげるから、……楽しみにしてて」  目を据わらせて笑うリーアの姿にジュピターが背筋を一気に寒くして、謝り倒したことは言うまでもない。 Fin.  
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