一章

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そして、破砕の音を背負 いながら“戦士級”が振り返る。 「おい、」 「なに?」 外神は少女の背中を軽く叩いて注意を向けさせる。 「今のあいつの攻撃、君なら受け止められるか」 「今は無理。あと、“戦士級”は君を狙ってるからね」 当たり前でしょ、とでも言いたげに少女は言い放つ。 その丸投げの態度にため息が漏れ出てしまった。 「じゃあどうすればいい」 「君がやるの」 え、と言った視線の先。 杖が光を放った。 杖のシルエットがぼやけるほど強い光を放ち、音もなく砕けるように宙に散っていく。 手ぶらになった少女は左手に嵌めていたたグラブを外し、 「使って」 外神に投げてよこした。 (使う……?) 言われ、外神は見る。 渡されたのは茶色い革製のグラブ。 分厚い皮を なめして作られたのか、頑丈そうだが手触りは驚く程柔らかい。 指先がカットされているが、だれかの趣味だろうか。 だが、気になるのはそこではなかった。 「なんだこれは」 手の甲から手首の方に伸びていく部分。そこに、仰々しい金属製のパーツが鎮座していた。
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