一章

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銀色に光るパーツは片手で握れるくらいの大きさで、触ってみると手首方面に向かって動くようになっているのが分かる。 自動拳銃のスライドを平たくして、手の甲の横幅くらいまで広げような形に見えた。 パッと見は完全に特撮の玩具か、コスプレ小道具だ。 「何って……VXドライバ」 「そういうことじゃ、いや、そういうことなんだけど」 意味の分からない単語を受け入れるキャパシティは、既に溢れかけている。 思えばガラスに反射していた世界の中に、あり得ないものを見つけたのがきっかけだった。 今や、そのあり得ないものたちがこちらに現れて、手袋渡されて「代わりに闘え」と来たもんだ。 (わーもーだめだー。今日ーの俺ぁーだーめだよー) 一瞬気が遠くなるが、 「ほら、早く。敵も待ってんだから」 あり得ない存在が催促してくる。 半ば自棄になりながらも、外神はグラブに手を突っ込んだ。 グラブは外神の手に合わせるようにピタリと収まった。 VXドライバ、と言っていた金属のパーツはずしりと重い。 その重さで手袋がゆらゆらしていたが、手首のベルトを締めると動かなくなった。 「で、どうすればいい」
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