一章

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『顕装、発動』 白光が視界を塗り潰し、思わず外神は目をつむる。 その耳に、 『私は……!!』 男の声が響いた瞬間、スイッチが切れたように光が消える。 代わりに、外神の眼前に別のものが現れていた。 「杖……」 白一色で塗装された、1メートル程の棒。 少女が持っていた杖より長く、デザインも異なる。 武骨で武器然としていた少女の杖より、細身のシルエット。 少女の杖で蛍光灯のようなパーツが付いていたヘッドには、十字の装飾。 儀礼で振られるような優美さを備えた杖は、誰の手にも捕らわれずに自立していた。 「これが顕装……」 思わず呟くと、 「前見て」 注意と同時、“戦士級”が来る。 外神の顔面をめがけて、巨槌と化した両拳が落ちてくる。 『ーー手に取れ。私を』 「……!」 彼には、その声が誰のものなのか、どうなるのかを理解できなかった。 ただ降り下ろされる殺意に対し、反射的に杖のグリップに指をかける。 胸元に引き寄せ、繊細に感じる細身の杖を握った瞬間、打撃が激突した。
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