一章

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「体が強くなったんじゃないのか!?」 『そうだ。彼らと“同じもの”になる、それだけだ』 “戦士級”の裏拳を杖でずらし、空いた脇腹を蹴って下がる。 『肉体は多少強くなっているかもしれないが、地面に叩き付けられれば相応の痛みを受ける』 「それはさっき分かったよ!」 距離を取った脚を狙って蹴りが飛ぶ。 低い薙ぎ払いに対して、外神はその軌道を遮るように足を挙げる。 “戦士級”のローキックに、かかとの直蹴りをぶち込んだ。 低い打撃音が轟き、下からの重撃に、外神の体が押し上げられる。 『だが、』 だが、外神の足は浮かない。 “戦士級”の打撃を受けて、それでも受け切る。 『“同じもの”だ。君が“戦士級”の攻撃を受け止めるように、“戦士級”も君の攻撃を無視できない。攻めろ 』 「攻めろったって!」 蹴りを止められた“戦士級”が、二つの紅点で外神を見据える。 外神の顔を照らすような光からは、その感情は読み取れない。 「あんなのだぞ!」 『それがどうした。姿・形に意味はない』 “戦士級”が右に貫手を作り、外神の顔の中心へ撃ち込む。 当たる寸前に横へ飛び込むと、貫手は制服の肩を削る。 「勝てるのか、俺が」 『勝てる。君はその方法を分かっている。気付いていないだけだ』
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