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外神は眼を瞑らなかった。
高度を落としていく視界の下の方から、右拳がせり上がってくる。
対し外神は、杖のグリップを握り、槍のように前へと突き出す。
権杖のような十字の装飾を備えたヘッドと、アッパーの距離が零になる。
その時、
『防御シーケンス:起動』
杖から音声が響いて、杖のシルエットが光を放つ。
波動のように放たれた光は杖の周囲で止まり、拳を受け止めた。
拳の勢いも完全に殺され、空中の外神を押し動かすような力もない。
地面に足を着け、“戦士級”から放れた外神は、手元で光る杖を見る。
「これは……」
見覚えがあった。
鏡が写す反射の世界で見た光景。
その中で、少女を“戦士級”の両の拳から防いだのも、この光だった。
『私の機能が拡張された』
「拡張?」
『そうだ。
君の覚醒によって私の機能が拡張され、防御シーケンス、攻撃シーケンスが解禁された』
「今のが防御シーケンスか」
『その通り。多少の攻撃なら防ぐことができるだろう』
そして、と、杖が再び光った。
『攻撃シーケンスを起動する』
防御したときと同じ色の光。
ただ異なったは光の中から、何かが現れたことだった。
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