序章

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『……』 「さようなら、外神清正くん。大好きだったわ、私」 そう言うと襟元からマイクをむしり取って、地面に投げ捨てる。マイクが地面にぶつかる固い音が聞こえたが、暗くてすぐに見失った。 見上げると、巨塔を包んでいた焔はすっかり消え去って、いよいよ世界は闇に飲み込まれようとしている。 巨大な残骸に成り果てた都庁舎を指差し、 「ーーチェック」 要が宣言したのと同時、音もなく世界は黒に沈んでいった。
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