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「みぃ」
翔ちゃんだけがする呼び方で私を呼ぶと同時にウエストをなぞるように撫でられて、ビクッと身体が硬直する。
それでも、翔ちゃんの手は止まらなくて、次第に上に上がってくるものだから慌てて手を掴んだ。
「あ、あの翔ちゃん。この手は……」
「しよ」
抱き寄せられて密着した状態で囁かれた私は、心臓が飛び跳ねるほど驚いた。
す、
す、
するって
「な、ななな何を!?」
「何をって、セッ……」
「あー!言わなくていい!」
急いで彼の言葉を遮る。
何を意味するかぐらいわかっていたけど、動揺のあまり訊いてしまった。
ちなみに、私たちはまだ……そういう関係になっていない。
ゆくゆくはそうなるんだろうなとは思っていたけど、まさかこんな早く、唐突に機会が訪れるとは思っていなかった私。
心の準備なんてものは全くできていない。
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