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それは昨日、日曜日のこと。
塾が休みでその日は翔ちゃんとデートする予定だった。
でも、あいにく朝から大雨で。
天気予報では曇りだったから、遊園地に行く予定だったのに急遽中止になった。
楽しみにしていた分、がっかり肩を落とす。
第一、雪にはならない、冬の雨は冷たくてさらにテンションが下がる。
「遊園地はまた今度行けるし、今日は家でゆっくりしよか」
しょんぼりする私に電話の向こうから励ましてくれるから、それもそうだなと気分を持ち直して、その日は翔ちゃんの家で過ごすことになった。
私と翔ちゃんの家は隣同士だから、すぐ行き来できる。
私は家にあるお菓子を拝借して、翔ちゃんの家にお邪魔した。
翔ちゃんの家に行くと、おじさんもおばさんもいなかった。
「あれ?ご両親ともお出かけ?」
「うん、なんか今日までのホテルのバイキングの優待券があるとか言って出ていった」
「そうなの?翔ちゃんも行きたかったでしょ?」
「全然。あの年甲斐もなく目の前でイチャつく親とバイキングなんて恥ずかしくて行けるか」
私との予定を優先させてしまったのかと気を揉んだら、そうでもないようだ。
確かに、翔ちゃんのところの両親はラブラブで、一緒にいるところを見かけた時はいつも腕を組んでいる。
うちの両親はドライだから、そんなこと絶対子供の前でしないから余計に新鮮だった。
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