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「まぁ、だから気兼ねせずに上がって。今、ジュース持っていくから」
と翔ちゃんに促されて二階の彼の部屋へ。
そこで私が持ってきたお菓子とジュースを食べながら、翔ちゃんのお父さんがちょうど借りてきていた洋画のDVDを観ることになった。
それはサスペンスだった。
おじさんがラブストーリーのDVDを選ぶわけないけど、その映画には若干ホラー要素も含まれていた。
そして、怖いのが苦手な私。
人が殺される直前の演出に膝を抱えてぎゅっと拳を握る。
どうして、殺されるのに一人で行動するの!?
と、登場人物にツッコミたくなりながらも固唾を飲んで映画に見入っていた時、隣に座っていた翔ちゃんが私の背中に手を回してきた。
そして、そのまま私のウエストに腕が回って抱き寄せられる。
え?
翔ちゃんも怖いのかな?なんて思った私はテレビ画面から彼へと顔を向けた。
でも、翔ちゃんは全然怖くなさそうで、むしろ口角が上がって余裕そうだった。
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