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朱里「…………黙れ。」
彼の一言に、二人は怯んだ。
朱里「六條……お前は生徒会長であろう。この騒ぎはきっとすぐに……いや、既に…か。全校生徒に広まる。混乱を抑える為にお前はとにかくイベントを最後までやれ。」
その言葉は、有無を言わせず……亜也は押し黙ってしまった。
そして、「分かった。」そう言い、他の生徒の後に続き体育館へと戻った。
それを無表情で確認した朱里は、次に咲真に目線を向ける。
朱里「風紀委員による風紀指導はこの学園では絶対。それがたとえ生徒会でも……誰にでも愛されていても…な。」
咲真「そっ……そんな酷いこといっちゃダメなんだからな!」
朱里「黙ってついてこないと、これ以上惨めになるのはお前だぞ」
咲真「………」
反発しようとした咲真だが、朱里の冷酷な表情についに観念したようだ。
やれやれとでも言うように軽く息をついた朱里は、最後に右京へと視線を向けた。
朱里「お前は保健室に行ってこい。その子の手当てをしなくてはならないだろう」
右京は朱里の言葉に、黙ってそのまま踵を返す。
朱里「やれやれと……言ったところだな。」
真白を抱きかかえたまま廊下を歩いていく右京を見て、朱里は苦笑いを零した。
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