波乱の予感

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陽斗「もぉ……真白くんたら、お化け怖くないの?」 次々とお化けをお手前の鈍感天然を炸裂させて逆に困らせる真白に、陽斗は呆れたように声を掛けた。 はぐれない様にぎゅーっと手を繋いでる事で、どこかしらの腐った女お化けさん達が騒いでいるが、見事に二人は気が付いていない。 真白「怖くないですよ?皆さんとっても楽しいです!」 それはちょっと楽しみ方間違えてるけどなぁ…… 苦笑いをした陽斗に、真白はそういや…とある事を問いた。 真白「もしかして……なんですけど、かいちょと右京さんって……親衛隊さんの事悪く思ってたりとかするのですか…?」 その問いに、陽斗はぴたりと歩みを止めた。 真白「陽斗くん……?」 全くこの子は………なんで普段鈍感なくせに、こんな所だけ鋭いんだろうね。 陽斗「実はね、少し前までは親衛隊って凄く過激で……皆に嫌われる存在だったんだよ?でも、それをあの二人と委員長が変えたんだ。だから親衛隊自体は二人とも嫌いじゃないと思うんだ。でもあの二人は……親衛隊というより……自分の事を愛しすぎてしまう者達に怯えてる…そう言った方が良いかもしれないね。」 真白「………自分の事を愛しすぎてしまう者達……ですか?」 そう返すと、陽斗くんは悲しそうに凄く綺麗に笑いました。 陽斗「あの二人は特別だよ。あの二人は生まれ持ったモノが他の者達と比べて極端に違うからね。だからこそ人は惹きつけられる。時にはその感情が、狂気に変わってしまう事すらあるんだ。ましてやあの二人はお互いに世界有数の大企業の御曹司。他にお金持ちな家は沢山あるけど、それとは全く背負っている重さが違う。」 そんな二人の傍に涼しい顔でいたのが委員長。 普通ならあの二人に近づくなんて恐れ多くて無理なんだろうけど、彼はそんな事気にも留めてない様子でずっと近くで二人を見守ってきた。 そして中学の頃に二人には敵わないだろうけど、おんなじような孤独を抱えた生徒会の俺も含む皆が集まって…… そして、真白くんが現れた。
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