波乱の予感

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一方、右京、亜也、朱里。 颯爽と真白を連れ去っていった陽斗を見て茫然とする亜也に、朱里は肩に手を置いた。 朱里「仕方がない。諦めろ。」 亜也「……………慰めるのはやめてくれ…っ……」 キッ…と朱里を睨む亜也に、右京は溜息をついた。 右京「そんなに真白とお化け屋敷行きたけりゃ、さっさと中に入って追いつきゃいいだろうが」 亜也「うるせえな夕霧のくせに!!!言われなくても行くに決まってんだろ」 先頭になって入り口に入っていく亜也に、朱里と右京はやれやれといった様子でついて行ったのだ。 ーーーーーー 右京「…………うぜえ……」 その五分後、右京は苛立たしげにそう呟いた。 …………亜也が右京の腕にくっついて離れないのだ。 朱里「……そういや、亜也は昔からこういう類のものが苦手だったな」 亜也「…………う……うるせえんだよ!!!大体っ……こんな非現実な物体……俺は認めないからな!!!」 右京「お化けを非現実な物体って………なに言ってんだコイツ…」 その時、先ほど真白達が出会ったあのお化けのゾーンに入ってしまったようで… 響きわたる、あの不気味な声。 「ねぇ………私の眼……知らない……?」 亜也「ぎゃぁぁぁああ!!!!!!」 お化け屋敷全体に、亜也の叫び声が響きわたったのだった。
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