波乱の予感

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どうやらそれは、右京さんのケータイからだったようで… 右京「………………悪い」 電話の相手を確認すると、右京さんはバツの悪そうに真白に目線を向け、 そして電話をとった。 右京「…………なんですか会長」 会長……?って……うちの学校の会長では…… なさそうですね。 目の前で通話しているため、嫌でも耳にはいってしまう真白は、 右京のいつもとは違う口調に首を傾げた。 右京「…………は…?何でそんなに急に………」 焦っているのが分かる。 いつでも冷静な右京さんが焦るなんて…どうしたのですかね…? そう思っていると、 右京「……分かりました。では後ほど。」 右京さんの通話が終わった様だ。 真白「……大丈夫ですか?」 もしかしたら、こんな所で観覧車に乗っている場合ではないのではないか… そう感じて尋ねると、 右京「……ごめんな。真白」 眉を下げて、右京さんは笑った。 そんな右京さんの珍しい表情は、格好よすぎてなんだか虚しい気持ちになった。 ーーーーーーーー 一方、陽斗、朱里、亜也たちは真白達の後に観覧車に乗りこんだ。 陽斗「わぁっ…!!見てよ二人とも!どんどん高くなっていく!」 陽斗は外の景色を見て楽しんで見せるが…… 陽斗「………少しは楽しんでよ。二人とも」 会長はずっといじけてるし、委員長は何故かずっと俺を見ている。 朱里「…………俺はちゃんと楽しんでるぞ」 そう言う委員長、何で俺の顔見て楽しいなんて言うんだろうね。 朱里の言葉に、陽斗はむうと頬を膨らませた。
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